自転車・新城「世界は平穏に戻る。信じて待ちましょう」 外出自粛呼びかける


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近況を報告し「勇気や元気を届けられる走りができるように、しっかり備える」とメッセージを出した新城幸也(飯島美和撮影、提供)

 自転車ロードレースの国内第一人者で、石垣出身の新城幸也(八重山高出―バーレーン・マクラーレン)が14日、公式サイト「Teamユキヤ通信」で近況を報告した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、世界中で大会の中止や延期が続き、活動ができない状況にある中、「必ず世界が平穏に戻ると信じて、そのときを静かに待ちましょう」と外出自粛を呼び掛けている。

 3月上旬、拠点を置くフランスへ戻り、次の大会へ向け準備を進めていた。だが、国際自転車競技連盟(UCI)が4月末までの大会中止を発表したことから、チームは選手に自国への帰国指示を発表した。新城はタイの合宿地で過ごしているという。

 昨年3月にけがを負い、思うような練習ができなかった時期を振り返り「絶対走れるようになる。レースに復帰する」と耐えたという。大会中止が世界で続く現状にけがで苦しんだ期間を重ね合わせた。

 復帰した際は「何百倍も楽しく、うれしかった」と述べ、「この状況を克服できたとき、きっと当たり前だった生活が何倍も幸せに感じるはず」と苦難を乗り越えた先には、競技ができる喜びが何倍にもなると呼び掛けた。

 感染防止のために「家族や大切な人に寄り添って。だからといって急いで実家に帰ったり避難したりすることはやめてほしい」と外出自粛も求めた。地元・石垣島のような離島は医療体制が限られていることにも不安を示し「高齢者も多いのでとても心配。呼び掛けることしかできないが、一人一人に届いてほしい」と訴えた。

 3大会連続での出場、表彰台を狙う東京五輪の延期についても触れ「レースが再開されるときまで、しっかり備えながら選考基準に関しての判断を待つ」と今できる範囲でのトレーニングに汗を流していることを紹介した。