医師らに所有ホテルを無償提供 日高さん「ゆいまーる精神で助け合う」


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新型コロナウイルス感染症の医療従事者らに、ホテルの無償提供を申し出ている日高憲一さん=15日、那覇市安次嶺のキーストーンホテル

 司法書士で不動産会社を経営する日高憲一さん(46)が17日までに、所有するホテルを新型コロナウイルス感染症の医療従事者らの宿泊施設として無償提供したいと那覇市医師会など関係機関に申し出た。

 具体的な協議には入っていないが「みんなが経験したことのない事態に苦しんでいる今こそ、ゆいまーる精神で助け合いたい」と話す。

 日高さんは、家族への感染を恐れて病院に寝泊まりする医療従事者がいることを報道で知り「何かできることはないか」と無償提供を決めた。

 「自分も同じ立場だったら家に帰れないと思う」と医療従事者の苦悩をおもんぱかる。周囲には風評被害を心配する意見もあったが、日高さんに迷いはなかった。

 提供を申し出たのは那覇市安次嶺の「キーストーンホテル」で、部屋は10室ある。キッチンや洗濯機もあり生活しやすいという。

 昨年12月に完成したばかりだが、感染拡大の影響で現在、宿泊客はいない。

 日高さんは「私も資金繰りが厳しく倒産する可能性もあるが、役に立てるならただで提供したい」と話した。