国の調査先行は「連絡ミス」 泡消火剤流出事故 地元不在に防衛相謝罪


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 発がん性が指摘される有機フッ素化合物PFOSが米軍普天間飛行場から流出した事故で、日本政府が16日に同飛行場への立ち入り調査をしていたが、同じく立ち入りを希望している県や宜野湾市には連絡していなかった。“地元不在”の立ち入り調査実施となり、河野太郎防衛相が連絡ミスを謝罪する事態になった。

 政府は16日午後2~3時半に立ち入り調査をしていたが、17日午前11時の河野氏の記者会見まで明かさなかった。県職員は「何も知らされていなかった」と困惑の表情を見せた。

 謝花喜一郎副知事は17日午後、記者団の取材に応じ「国がやったのは承知していない」としながら、環境補足協定に基づく立ち入り調査は週明けとの見方を示していた。河野氏の発表を伝える報道を受け、防衛局に問い合わせた。

 県と市は沖縄防衛局を通じて米軍に立ち入り調査を申請している。県は何度も調整状況を問い合わせていたが、日本政府単独の調査については知らされていなかったという。

 本紙も16日午後4時半ごろに防衛省担当者に立ち入り調査の見通しについて質問したが「大臣の国会答弁の範囲でしか答えられない」との回答を繰り返すばかりだった。