流出泡消火剤サンプル採取が焦点 県と自治体は基地内水質の調査要請


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 政府は16日、有機フッ素化合物PFOSを含む泡消火剤が流出した米軍普天間飛行場での立ち入り調査を実施したが、米軍の説明を受けながらの現場確認にとどまり、日米合意にも規定がある土壌や水などのサンプル採取はしなかった。

 PFOSを巡っては、これまでも基地内での水質調査を求める声が県や基地周辺自治体から出ている経緯があるだけに、環境補足協定に基づく今後の立ち入りでサンプル採取ができるかが焦点だ。

 防衛省の伊藤茂樹報道官は17日の記者会見で、今後サンプル採取をするかどうかについて「まだ決まっているわけではないので、国と自治体の要望も踏まえ米側と調整していきたい」と述べた。県は今回の立ち入り要請でサンプル調査を求めている。

 県選出の野党国会議員でつくる「うりずんの会」は同日、防衛省に対して流出事故に抗議し、県や宜野湾市が求めている基地立ち入りの実現を求めた。16日に政府が実施した立ち入りについて詳細な説明はなかったといい、議員らからは「立ち入ったから良しとするわけではない。どこまでのものか見てみないと分からない」(赤嶺政賢衆院議員)との指摘が出ている。