ネット就活、知名度少ない中小に不利か


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 新型コロナウイルス感染症の影響で、一部の企業に採用日程を先延ばしする動きが出ている。今後も終息が見通せていない中で、再延期などが出てくると時間が十分に確保できず就職ができなくなる人が生じないか懸念している。

 企業からしても人材確保が遅くなることにつながり、特に例年大企業より後に採用をする中小企業は、先延ばしした大企業と競合になってしまうことも考えられる。

 合同説明会が相次いで中止になり、学生がいろいろな企業と出会うチャンスが少なくなっていることも、知名度の少ない中小企業にとって不利に働くかもしれない。ウェブ面接を検討している企業も多いが、中小企業は設備や専門人材の面で難しい部分がある。

 今回の調査は大手企業が中心なので採用人数はそれほど変化がないが、中小企業は足元の雇用確保や事業継続に必死になっていて来年度の採用について検討する余裕がない企業も多い。新型コロナの終息が長引くと、特に小規模の企業では来年度の採用を見送る可能性もある。

 沖縄の学生は県内志向が強い。県内の求人が減少すれば就職率が下がる可能性もある。本人たちの努力とは別の感染症の影響で、特定の学年だけ就職率が下がってしまう事態は何とか避ける必要がある。