感染防止「ウェブ就活」沖縄でも一気に 県外企業に対して距離の不利解消も


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 新型コロナウイルスの感染を防ぐため、インターネットを活用した説明会や筆記試験、面接を導入する企業が増えている。アンケートでは20社がウェブ説明会やウェブテスト、ウェブ面接に切り替えた。学生を送り出す大学側も感染のリスクを減らせるため、企業側にウェブ説明会や面接を要望するなど、採用試験の方法が変わりつつある。

 オンライン面接システム「インタビューメーカー」を取り扱うスタジアム(東京)では3月以降、企業からの問い合わせや導入が1月の15倍に増えた。九州・沖縄を担当する東江康之プロジェクトマネジャーは「沖縄も同様の傾向だ。観光業を中心に県内企業の中に21年度採用を見合わせる動きもあるが、大手企業はウェブ面接に切り替えている社が多い」と説明する。

 琉球大は今月15日、県内企業・団体に対し、ウェブ説明会やウェブ面接など対面によらない方法での採用活動を依頼した。同大キャリア教育センターの担当者は「学生も変化に対応するのが大変だがウェブを使った遠隔面接などは県外企業でも距離と時間に関係なくできる。しっかり対応できる学生にとってはむしろメリットになる」と話す。

 各大学ではウェブ面接の場所やパソコンを貸し出すなどして学生をバックアップするが、「ウェブ面接の対策はまとまっていない」(沖国大)など細かい対策は手探りの状況がある。

 スタジアムの東江さんは「ウェブ面接をうまくいかせるには、ネット環境が安定していること。光の当たり具合で見え方が変わるという点に気を付ければ、あとは対面と同じ」とアドバイスする。

 一方、今回の企業アンケートで石油類卸売りのりゅうせき(浦添市)は、対面式の面接を実施するため選考日程を先延ばしすることで調整していることを回答した。会社説明会などはウェブ上で発信しているが、「プライベートでワイファイ(Wi-Fi)などのインフラ環境がない学生が不利にならないように配慮する」とした。