グアムB52、米本土へ 米空軍 嘉手納飛来可能性も


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 【与那嶺路代本紙嘱託記者】米空軍は17日、北朝鮮や中国への抑止力の一環としてグアムに配備していたB52戦略爆撃機の運用を終了し、米本土からの運用に切り替えると発表した。星条旗新聞などが伝えた。今後は米本土を拠点とし、必要に応じて海外の拠点からインド太平洋地域に前方展開する。嘉手納基地に飛来する可能性もある。

 同紙によると、B52は2004年以降、6カ月交代でグアムのアンダーセン基地に配備し、北朝鮮や中国、ロシアへの抑止力として、南シナ海を飛行してきた。16日、5機がグアムからノースダコタ州の空軍基地へ帰還した。

 空軍は声明で「爆撃機は恒久的に米本土を拠点とし、必要に応じて、海外の拠点からインド太平洋地域に前方展開させるアプローチへと移行する」と述べた。運用を予測しにくくする国防戦略の一つで、B52やB2などの爆撃機を合わせて使用する。今後もインド太平洋での運用を続けるとし「同盟国との訓練を最大化する」としている。

 B52を巡っては1968年に嘉手納基地で離陸に失敗、墜落し、住民が重軽傷を負う事故があった。2010年には燃料不足のため嘉手納基地に20年ぶりに飛来し、嘉手納町議会が抗議した。最近では2月に台湾東部の空域で飛行し、台湾周辺で軍事演習を活発化させている中国をけん制した。