看護師2人の感染が判明 那覇市立病院、「院内感染」には否定的


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那覇市立病院で医療従事者2人が新型コロナウイルスに感染した件で説明する同院の(右から)外間浩理事長兼院長と砂川敦事務局長=19日午後、県庁

 那覇市立病院の看護師2人が新型コロナウイルスに感染していることが分かったことを受け、市立病院の外間浩院長と砂川敦事務局長は19日、県内の感染状況を発表する沖縄県の会見に同席した。看護師の感染経緯や院内感染の可能性、対策などについて説明した。同病院によると、感染が確認された看護師は新型コロナ感染症患者の病棟を回る40代男性と、新生児集中治療室(NICU)を担当する50代女性。感染経路はそれぞれ別という。40代男性はゴーグルやマスク、ガウンなど完全防護で患者に対応していた。発熱した8日からは感染疑いとして出勤を停止した。すぐにウイルス検査を実施し、2回は陰性となったが、18日に3回目を実施して陽性を確認した。

 50代女性は14日深夜に帰宅し、その後に発熱や頭痛などの症状が出た。女性の夫は9日に発症し、17日の検査で感染が確定した。これを受け女性も検査し感染が判明した。発症後は出勤を控えた。

 院内で40代男性と接触したのは看護師や医師6人で、50代女性との接触者は同僚6人と患者11人だった。これまでに全員症状はなく、検査も実施して全て陰性だったという。

 外間院長は40代男性が完全防護で勤務し、同様に診療に当たる同僚から感染者が出ていないとして院外での市中感染との見方を示した。「院内感染について疑いは残る」としながらも、現時点で可能性は低いとした。

 砂川事務局長は「病院は既に満床状態にある。院内感染は非常に大きなダメージを受ける。院内感染を起こさないような態勢でさらに取り組む。県民も医療機関を守るよう支援をお願いしたい」と呼び掛けた。