沖縄県と宜野湾市も普天間立ち入りへ 有害の「泡」流出 21日にも


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米軍普天間飛行場から流出し、住宅地に迫る泡消火剤=11日、宜野湾市大謝名(金良孝矢撮影)

 米軍普天間飛行場から有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤が流出した問題で、国と県、宜野湾市の3者は21日にも同飛行場への立ち入り調査を実施する。日米地位協定の環境補足協定に基づく立ち入りで、日米合意に明記されたサンプル採取が実現するかどうかが焦点だ。県はサンプル採取を要望している。

 2015年の環境補足協定の内容をより詳しく定めた日米合同委員会合意には、基地内での土壌や水のサンプル採取を申請できることが明記されている。ただ、応じる義務は課しておらず、実現するかどうかは米軍の裁量に委ねられている。

 過去には米軍基地内で起きた環境汚染事故について自治体の基地内への立ち入りを認めたものの、土や水の採取を認めなかった例もある。

 宜野湾市はサンプル採取を予定しておらず、事故について状況説明を求めている。日程の調整が付けば松川正則宜野湾市長も参加する考え。

 3者の立ち入り調査に先立ち日本政府は県や市に連絡せず単独で普天間飛行場に立ち入った。環境補足協定に基づいていると説明したが、土壌や水は採取せず現場確認にとどまった。