日本経済の先導役へ 県、沖縄発展戦略を発表


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 2022年度以降の沖縄振興計画の策定に向け、県の富川盛武副知事は21日、県庁で会見し、新沖縄発展戦略を発表した。沖縄が「アジアの橋頭堡(ほ)」として機能すれば、日本経済の再生に役立つ時代が到来するとして新振計策定の必要性を訴えた。その上で新たに四つの施策展開の枠組みと21項目の重要事項を提言した。時代潮流を考慮し、持続可能な開発目標「SDGs」の理念のほか、新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受けた対応も盛り込んだ。

 富川副知事は「沖縄の可能性が顕在化すれば、フロントランナーとして日本経済のけん引に役立つ。これを全面に押す」と強調した。一方で新型コロナウイルスの影響で「次の振興計画はマイナスからの出発となる」との認識を示した。

 現行の第5次沖縄振興計画(沖縄21世紀ビジョン)は21年度末に期限切れを迎えるため、県は今年3月末に作成した現行計画の総点検報告書と新沖縄発展戦略を踏まえて、年内に新振計の骨子案を発表する。

 県民や市町村、関係団体からの意見も踏まえて20年度中に計画の素案をまとめる。

 新沖縄発展戦略では新たな施策展開の枠組みとして(1)アジアのダイナミズムを取り込む臨空・臨港都市の形成と県土構造の再編(2)日本経済再生のフロントランナー(3)ソフトパワーを生かした持続可能な発展(4)誰一人取り残すことのない社会の構築と未来を開く人材育成―の四つを示した。その上で、世界水準の拠点空港化や鉄軌道の導入、スタートアップの促進、首里城の復元・復興、離島・過疎地の振興など21項目の重要事項も提言した。