中城御殿、円覚寺跡も計画復元 知事が「新・首里杜構想」発表


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「首里城復興基本方針」を発表する玉城デニー沖縄県知事=24日午前、那覇市の沖縄県庁(代表撮影)

 玉城デニー知事は24日の定例記者会見で、昨年10月に焼失した首里城の復興基本方針を発表した。1986年に首里城公園整備計画調査で区域を設定した「首里杜(すいむい)構想」を現在の社会環境や時代のニーズに合わせて「新・首里杜(すいむい)構想」として見直し、周辺の中城御殿跡、円覚寺跡についても計画的に復元を進めていく。首里城の地下にある日本軍第32軍司令部壕について、玉城知事は「ジオラマやVR(仮想現実)を使って壕内を仮想体験できるような、IT活用して平和教育に活用できないか構想している」と述べ、沖縄戦の実相を伝える平和学習ツールの開発などを基本方針に盛り込んだ。壕内の公開については崩落の危険性などを理由に引き続き慎重な姿勢を見せた。

 首里城復興基本方針は、今年1月から4回にわたって開催した有識者懇談会の提案を踏まえ、9項目にまとめた。火災の原因究明と防火設備・施設管理体制の強化や、首里城公園のさらなる魅力の向上として「見る」だけでなく首里城の歴史や魅力を「物語」として体感できるような取り組みを進めていく。【琉球新報電子版】