黄、オレンジ 色鮮やかタラマバナ 収穫最盛期 茶や染料に


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収穫最盛期を迎えたタラマバナ=12日、多良間村字仲筋地内

 【多良間】多良間村の村花「タラマバナ(ベニバナ)」が収穫の最盛期を迎えている。12日、たらま花保存会(佐久本洋子会長)が黄やオレンジ、紅など色鮮やかに咲き誇る花を収穫した。

 多良間島では500年前からタラマバナが栽培されていたとされ、かつては琉球王府への貢納品だった。保存会はタラマバナを村内各地で栽培する。例年、10月ごろ種をまき翌年3月から収穫を始め、5月には終える。葉や茎には鋭いとげがあり、日光が当たることでとげが固くなることから、収穫は早朝や曇り空の日に行う。

 収穫した花弁は天日干しされた後、島の特産品「たらま花茶」や染料の「紅餅」に加工する。紅餅は何度も水洗いした花弁を数日間発酵させ、きねで突いて団子状にして天日で乾燥させて作る。佐久本会長は「旬の時期に収穫するタラマバナで染めると、とてもきれいな色が出る。紅餅作りは手間がかかるが、きれいな色が出たときは苦労を忘れる」と話した。

タラマバナで色鮮やかに染められた糸

 紅餅で染めた「たらま紅袖」は島の新たな特産品として注目を集めている。佐久本会長は「新たな商品開発も検討しながら、生産農家を一人でも増やしたい」と語った。