OISTが殺菌装置を製造、病院へ コロナ「一緒に乗り越えよう」


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OISTのフェムト秒分光法ユニットのケシャブ・ダニ准教授が率いるチームが設計した紫外線殺菌装置を組み立てる大学スタッフの様子(提供)

 沖縄県内での新型コロナウイルス感染拡大を受け、沖縄科学技術大学院大学(OIST)は物資が不足する医療従事者向けに、マスクの紫外線殺菌装置とフェースシールドを設計、製造した。21日までに殺菌装置3台を県内の病院に納入し、フェースシールド400個を県に提供した。OISTの広報は「地域のために学生やスタッフが自発的に始めた活動だ。皆さんと一緒にこの状況を乗り越えられるよう協力したい」と話した。

 紫外線殺菌装置はフェムト秒分光法ユニットのケシャブ・ダニ准教授が率いるチームが設計した。装置は紫外線C波(UVC)ライトを使用して、医療現場で使用するN95マスクなどの個人防護具を殺菌する。N95マスクであれば、一日に約400枚の殺菌が可能という。ダミー人形を用いた実験では、殺菌を30回行ったあとでもマスクのフィルタリング効果が変わらずに機能することを確認した。

OISTの数理力学と材料科学ユニット、マイクロ・バイオ・ナノ流体ユニットの研究チームが製造したフェースシールド(提供)

 フェースシールドは頭部に装着し、飛沫(ひまつ)が目から入ることによる感染を防ぐ。数理力学と材料科学ユニットや、マイクロ・バイオ・ナノ流体ユニットの研究チームが、大学施設内の3Dプリンターを使って製造した。

 チームは産業医の指導の下、これまでに海外で発表されたフェースシールドの設計を独自に改良した。国内で調達できる材料から、より少ない量で製造できるように修正したという。400枚を増産し、提供する予定だ。

 OISTは今月上旬、新型コロナに関連するプロジェクトを進めるための「COVID―19対策基金」を設立した。同大学は寄付を呼び掛けており、詳細はホームページで確認できる。

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