19年度観光客1000万人割りこむ 946万人 3月過去最悪55%減


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新型コロナウイルスの感染拡大で旅行者が激減し閑散とする那覇空港ロビー=27日午後、那覇市鏡水(大城直也撮影)

 沖縄県文化観光スポーツ部は27日、3月の入域観光客数が前年同月比55・2%減の39万6300人だったと発表した。昨年3月に比べて48万7700人の減少は、単月の減少数としては過去最大となった。これにより2019年度(19年4月~20年3月)の入域観光客数は前年比5・3%(53万5100人)減の946万9200人となり、18年度(1千万4300人)に達成した1千万人の大台を再び割り込んだ。

 前年度の実績を下回るのは、東日本大震災の影響を受けた11年度以来、8年ぶり。前年度比5・3%減の落ち込みは、沖縄国際海洋博覧会の開催翌年の1976年度に次いで過去2番目の減少幅となった。

 沖縄を訪れる入域客数は6年連続で過去最高を更新するなど右肩上がりを続けてきたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響で今年1月以降に観光客が激減した。

 20年度についても、新型コロナの感染拡大を防ぐための大型連休中の移動自粛や海外渡航制限が続くことなどから、県は「少なくとも年度当初においては厳しい」という見方を示した。

 3月の入域客数は外国客が同98・9%減の2400人、国内客は同40・1%減の39万3900人だった。

 19年度の入域客数は、国内客が前年比0・3%減の697万8800人、外国客は同17%減の249万400人となった。

 国・地域別では、台湾が同6・5%減の85万8200人、中国客はクルーズ船寄港回数の減少が影響し11・7%減の61万3700人となった。韓国からの観光客が同55・3%減の24万7500人で、減少幅が最も大きかった。

 県文化観光スポーツ部の渡久地一浩部長は「米国同時多発テロや東日本大震災などの観光危機を経験してきたが、今回は未曽有の危機となる」と話した。

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