「思い出の学校へ」転校の11歳が手作りマスク 初挑戦のミシンで 屋良小の全教員に


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愛子さん(左)と製作した布マスクを儀間芳奈さん(右)に手渡す上地嵐久さん=17日、嘉手納町の屋良小学校

 【嘉手納】たくさんの思い出をありがとう―。3月末で嘉手納町立屋良小学校から読谷村立古堅南小学校へ転校した上地嵐久(らいき)さん(11)=同小6年、村大湾=が17日、祖母・愛子さん(68)と手作りした布マスク41枚を屋良小の職員へ贈った。「お世話になった先生たちへのお礼に、人数分作りました」。嵐久さんははにかみながらも、初挑戦のミシンを使って一枚一枚丁寧に仕上げたことを伝えた。

 マスク不足が深刻になる中、自宅で愛子さんが家族用に布マスクを作る様子を見ていた嵐久さん。「なんだか面白そう」と愛子さんから教わり自分用を作ってみたら、没頭するようになった。初めはこつをつかめずミシン針を何本も折ってしまったが、枚数を重ねるうちにみるみる上達した。

 材料は飲食店で使われる光沢のあるナプキンや手ぬぐいを活用し、見た目の良さにもこだわった。嵐久さんは「中央のカーブの部分を取り付ける作業が難しかった」と振り返り、先生たちに「大切に使ってほしい」と思いを託した。

 5年生の時の担任だった儀間芳奈さん(41)は、暗いニュースが多い中、児童たちがどのように過ごしているか気になっていたと話し「気持ちがとてもうれしい。みんな嵐久さんのことを忘れないよ」とお礼を述べた。

 屋良小学校では休校期間を利用して、教員やPTA職員が全校児童324人分の布マスクを製作する企画を実施した。出来上がったマスクは教科書を受け取りに来た児童一人一人に配られた。