「命の重さ、違いなくそう」読谷の19歳、ルワンダのアクセサリー販売へ資金募る


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ルワンダの伝統装飾を使ったアクセサリーで現地シングルマザーの雇用創出を目指す山田果凜さん=1日、読谷村内

 沖縄クリスチャンスクールインターナショナル(読谷村)3年の山田果凜さん(19)がルワンダの子どもを貧困から救うための事業に挑戦する。同国の伝統装飾を使ったアクセサリーを開発し、県内で販売する計画だ。制作をルワンダのシングルマザーに依頼し、安定的な雇用を創出することで貧困解消を目指す。現在、クラウドファンディングで資金を募っている。「貧困国の支援」と「発展途上国と日本の懸け橋」を人生の目標に据える19歳が動き出す。

 10歳の時に一家でタイに移住。「国際的な人間になれ」という父親の期待に応えようと語学を学んだが、その重圧や「自分が社会の中で何を求めているのか」という悩みに押しつぶされそうになり、中学生になるころには不登校になった。
 運命を変えたのは、父親の出張に付き添って訪問したインドで出会ったストリートチルドレンだった。7歳で5カ国語を操り、土産品の鉛筆を観光客に売って生計を立てる子どもの中心となっていた少年から出た言葉は「お姉ちゃん、僕をここから連れ出して」。何とかしてあげたいという思いから、インドの孤児院でボランティアにのめり込んだ。
 孤児院では日本語を教えたり一緒に遊んだりして子どもたちを支えた。しかし、「自分がその場にいる間しか影響を与えられない」という“ボランティアの限界”も感じた。
 日本に帰国後、英語で学べる読谷村の学校に進学。神戸市主催の起業体験プログラムでルワンダを訪問した。経済の急成長で「アフリカの奇跡」と評されるルワンダでも、目の当たりにしたのは、インドと同様、貧富の格差とその被害者となる子どもたちだった。「生まれた国の違いで命の重さに違いがあってはいけない」と感じ、行動を起こすことを決意した。
 事業で扱う商品はルワンダの伝統装飾「イミゴンゴ」を使ったアクセサリー。シングルマザーが安定的に十分な収入を得られるようにするため、商品の制作手順や価格設定、生産量の調整などで頭をフル回転させる。ルワンダでの事業を成功させれば、ノウハウを生かしてインドやタイでも展開する考えだ。
 ふと、大きな挑戦に怖くなることもあるという。その時はインドの少年や、事業に協力してくれるルワンダのシングルマザーの顔を思い浮かべる。「誰かのためだったら、自分の最大限を引き出せる」と、目を輝かせる。
 山田さんのクラウドファンディングサイトはhttps://camp-fire.jp/projects/view/245492?fbclid=IwAR2n63WQxJBwdc5T_m7g5PiHbwQds7aKm-7LpcM_zp2Y_vUnEJyAoFVw0o4 (稲福政俊)

ルワンダの伝統装飾「イミゴンゴ」を使ったピアス