JTA、3月期決算は増収増益 コロナで業績予想策定困難


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 日本トランスオーシャン航空(JTA、青木紀将社長)は30日、増収増益の2020年3月期決算を発表した。売上高は前期比2・4%増の429億円と3期連続の増収だった。経常利益は同0・4%増の84億円、当期純利益は同0・6%増の62億円となった。

 一方で、航空業界は新型コロナ感染症の拡大に伴う移動制限で年度終盤から大幅な減便が続いており、21年3月期の業績予想については不確実性が高く、現段階で収支計画の策定が困難とした。青木社長は「収入は極めて厳しい状況だ。SARSやMARSなども経験してきたが、はるかに上回る未曽有の危機だ」と語った。

 20年3月期の旅客数は同0・4%増の291万9千人、旅客収入は同2・5%増の366億円となり、ともに過去最高となった。機材更新を完了して提供座席数が増えたことや、最大10連休となったゴールデンウイークや夏季、年末年始の旅行需要が好調だった。提供座席数は3・9%増の423万2千席だった。

 営業費用は同3・7%増の342億円で、機材更新に伴う減価償却費や機材大型化の費用が影響した。

 19年9月の中間決算時に通期の売上高を444億円に上方修正していたが、今年2月以降に新型コロナの影響を受け、修正見通しを下回る結果となった。

 減便は3月に7%減、4月は48%減となり、ゴールデンウイーク期間中は68%まで減便が拡大する。青木社長は、感染終息までの期間が半年や1年続いた場合などのリスクを想定し、事業継続のプランを立てていると説明した。