「プレーオフ挑みたい」 一緒に乗り越えて FC琉球 倉林啓士郎会長


「プレーオフ挑みたい」 一緒に乗り越えて FC琉球 倉林啓士郎会長
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ―昨季の振り返りを。

 「2018年にJ3で優勝して、J2初年度の昨季は開幕4連勝、30試合連続ホーム無敗記録、小野伸二の加入など、初めての年度にしては、まずまずできたという手応えはある」

 ―昨年、J1クラブライセンスが交付されるなど昇格への準備を進めてきた。

 「今季は選手をさらに補強してプレーオフ圏内を目指している。楽しみにしていたので現状は残念だ。再開した時に今いるメンバーでプレーオフに挑みたい」

 ―クラブ活動の休止期間を6月初めまで延長した。選手の状態は。

 「4月7日から全体のトレーニングを中止し、選手は自宅で待機している。新型コロナの感染者を出さないことを優先に、週3日のウェブによるフィットネスとトレーニングを行っている。ウェブ上のコミュニケーションで互いに安心でき、顔を見ることでメンタル維持に役立っている。できることは限られるが、クラブが何も言わなくとも選手たち自ら考えて、SNS(会員制交流サイト)などで発信している」

 ―リーグ日程の中断中、いかに地域に貢献するか。

 「発信力を活用して、県内に感染拡大防止を呼び掛けることはクラブの義務だ。また、家で過ごす時間が増えた人に向けて、コンディショニングコーチやフィジカルコーチがSNSを通して発信を続けている。今後に向けて、選手やクラブが病院へマスクを寄贈する準備も進めている」

昨季のホーム最終戦で首里城再建の横断幕を掲げるサポーターらの声援を受けて試合に臨むFC琉球の選手ら=2019年11月10日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム

 ―観客収入が見込めない中でチーム経営の今後の見通しは。

 「経営の柱であるチケット収入とグッズ収入がなく厳しい状況ではある。その中で、新経営体制で挑む判断をした。4年の連続赤字だが昨季監査役を務めた財務のプロである小川淳史氏を社長に迎えた。黒字を目指して経営経験の豊富なメンバーがそろった。資金面でもコロナの影響が出る前から増資に動いており、約2億円の資金調達を完了した。資金面の当面の心配はない」

 ―ファンへメッセージを。

 「県内、全国で難しい状況が続いている。それでもサッカーが皆さんに勇気を与えられる日が来ると信じている。今年のチームのスローガンは『リバイブ』。首里城復興のためのスローガンだったが、今はさまざまな場面に当てはまる。皆さんと一緒に乗り越えていきたい」

 (聞き手 古川峻)