県出身女子プロゴルファー14人、那覇市へ 首里城再建に250万円寄付 発起人の上原彩子「強い思い再確認できた」


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 県出身の女子プロゴルファー14人が、首里城の再建支援を目的に249万9307円を那覇市に寄付した。選手たちが自ら事務局を立ち上げ、寄付金を集めた。3月9日に開催予定だった「首里城再建応援チャリティーゴルフコンペ」は新型コロナウイルスの感染拡大により中止となったが、発起人の上原彩子が4日、取材に答え「みんなで協力することで、多くの人の首里城に対する強い思いが再確認できた」と参加費を寄付に回すことに応じてくれた賛同者、グッズを提供した他競技の選手らに感謝した。

サイン色紙の準備や抽選作業を進める県出身の女子プロゴルファーら=2月28日(写真は提供)

 企画を主催したのは上原のほか、新垣比菜、上原美希、大城さつき、大城美南海、金井智子、川満陽香理、比嘉真美子、宮里美香、諸見里しのぶ、山口春歌、山里愛、山城奈々、与那覇未来。焼失を受け、昨年11月中旬から上原彩が「何かイベントをやらないか」と声掛けを始めると、皆が「もちろん協力したい」などと賛同し、14人にまで増えた。寄付は4月16日付で、那覇市からの受領書を持った各選手の写真などを上原彩が公開した。

 14人はミーティングやLINEグループでのやり取りで企画内容を練った。コンペ会場は糸満市の南山カントリークラブ。定員120人に対し、約250人の申し込みがあった。しかし新型コロナの影響で大会は中止となった。その後、選手8人が那覇市内で集まり、申込者に贈る直筆サインの準備やグッズの抽選の作業などを進めた。

 支援の輪は出身地や競技の垣根も越えた。ゴルファーでは松山英樹、畑岡奈紗、鈴木愛、渋野日向子、他競技からはプロ野球ソフトバンクの東浜巨、DeNAの嶺井博希、平良拳太郎、ラグビートップリーグキヤノンの田村優、サッカーJ2、FC琉球の小野伸二、上里一将、知念哲矢、上原慎也、喜名哲裕コーチ、ファジアーノ岡山の徳元悠平、上門知樹、赤嶺真吾が賛同。国内外で活躍するアスリートがユニホームやバット、サイン色紙などを寄付してくれた。

 「首里城は沖縄の象徴。協力は本当にうれしい」と感慨深げに語る上原彩。父の故・美代志さんが首里城友の会の会員だった。幼い頃、父と城巡りをし、沖縄の歴史を学んでいたという。炎に包まれる首里城の様子を見た時は「現実じゃないみたいで、受け入れられなかった」と強く胸を痛めた。1月にも自身のグッズの売上金やファンからの寄付を合わせた171万8400円を那覇市に寄付している。

 首里城の再建に向け「長丁場になると思うが、今後もチャリティーを続けたい」と力強く語る。シーズン開幕の見通しが立たないが「一日も早く収束するよう、ステイホームしながら、みんなができることをしていくことが大事だ」と呼び掛けた。