沖縄県の「特定警戒」指定見送り 感染者経路追跡、5月の状況踏まえ


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沖縄県庁(資料写真)

 【東京】新型コロナウイルスの感染症拡大により独自の緊急事態宣言を出した沖縄県は、政府から重点的な支援が受けられる「特定警戒都道府県」の指定を求めてきたが、今回の緊急事態宣言延長で新たな「特定警戒」地域に指定されなかった。感染者数の累積が100人を超えたことから、沖縄も特定警戒地域の対象になり得るのではないかとの見方が一時、政府内にあった。しかし感染者経路が追跡できていることや、5月に入り感染者ゼロが続いている状況を勘案して指定には至らなかった。

 政府の新たな基本的対処方針で、特定警戒都道府県以外の県には、感染防止と社会経済活動の維持の両立が求められ、施設利用やイベント開催について段階的に緩和する方針が盛り込まれた。政府は県知事に対し、感染防止策を講じることを条件に、映画館や博物館、図書館、百貨店などは使用制限の緩和や解除の検討を通知した。接待を伴わない食堂の時間短縮緩和も検討対象。イベントの開催制限も感染防止策を条件に、最大50人ほどの少人数の場合は開催制限の解除を検討する。一方で「地域の実情に応じて」として個別具体的な判断は知事に委ねている。

 特定警戒地域に指定されれば、医療機関へマスクが優先配分される仕組みになっている。政府は「特定警戒」の追加指定を見据え、未交付の臨時交付金を確保してきた。追加指定となれば、沖縄への配分額は「数十億円増える」(政府関係者)とみられていた。