「明るい話題を発信 優勝狙える」アスティーダ・早川周作社長<コロナ禍のなかで>


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ビデオ会議アプリ「ZOOM(ズーム)」で取材に答える琉球アスティーダの早川周作社長=4月20日

 ―昨季の振り返りを。

 「前シーズンの最下位からメンバーを補強し初めてプレーオフに進出した。沖縄からでも優勝を狙えることを示せた。プレーオフの中止は悔しい。戦う予定だった木下マイスター東京には勝ち越していて、優勝は十分狙えた」

 ―躍進の理由は。

 「張一博監督の就任が大きい。選手として結果を残し、日本国籍を取得するなどいろいろな経験をしてきた。だからこそトップ選手の気持ちがよく分かる。チームをまとめてくれた」

 ―今季の展望は。

 「勝てるチームをつくっている。リーグ参入してすぐは私自身が卓球を知らず、世界ランクのみにとらわれていた。多くの選手と話す中で選手側の目線を知った。新加入の平野友樹は常に全力で相手が嫌がる選手だ。ベストメンバーをそろえており優勝を狙える」

 ―名門の山口・野田学園高出身が多くそろった。

 「自主性を尊重する野田学園の考え方がアスティーダに合っていた。吉村真晴、吉村和弘、有延大夢、皆がとにかく思い切ってやる。アスティーダは他のチームよりも自由度が高い。選手の特徴を生かし、最高のパフォーマンスを引き出すことができる」

プレーオフ進出を決めて喜ぶ琉球アスティーダのメンバーら=2月16日、埼玉県の毎日興業アリーナ久喜(C)T.LEAGUE

 ―活動自粛下での地域貢献策は。

 「ユーチューブ(動画配信サイト)に力を入れている。子どもたちが卓球場に行けなくとも、自宅でトレーニングできるようほぼ毎日アップしている。ツイッターや動画配信アプリのティックトックも1日2回はアップする。有延が眉毛をどれだけ早く動かせるか挑戦する動画など、笑ってもらえるものも上げている。少しでも閉塞(へいそく)感を脱する手助けをしたい」

 ―クラブ運営の課題は。

 「収益が悪化しているスポンサーもあり、厳しい状況だ。しかし、この状況でも業績を上げている企業もあり、スポンサーは増えてもいる。前々からスポンサーや来場収入、グッズ収入のみに頼る経営は安定しないと主張してきた。『卓球バル』を運営するなど多角的にしっかり稼ぐ経営が求められている」

 ―ファンにメッセージを。

 「沖縄は歴史的にいろいろな苦労を乗り越えてきた。いままたつらい状況にあるが、明るく元気に前向きに行くしかない。今後も明るい話題を発信していく。一緒に頑張りましょう」
 (聞き手 古川峻)