沖縄の「6・23慰霊祭」21カ所中11で中止・縮小 遺族会「大行進」もなし


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慰霊祭で涙を流しながら校歌や別れの曲を歌う元ひめゆり学徒たち=2019年6月23日、糸満市伊原のひめゆりの塔

 6月23日の「慰霊の日」に県内各地で行われる慰霊祭を巡り、主な21慰霊祭のうち過半数の11で中止や規模縮小を予定していることが8日、分かった。開催は島守の塔の1カ所のみだが、主催する県も留意事項を付ける予定。例年通りに開催する慰霊祭はなかった。県遺族連合会と日本遺族会が主催する「平和祈願慰霊大行進」も初の中止を決めた。いずれも新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた。

 中止は沖縄師範健児之塔と南洋群島戦没者慰霊碑の2カ所。国の緊急事態宣言が5月末まで延長したことなどを踏まえたという。平和祈願慰霊大行進は県内外の遺族らが参加し、糸満市役所から沖縄全戦没者追悼式が開かれる平和祈念公園までの道のりを戦没者を慰霊しながら歩くもので昨年まで58回実施された。
 規模縮小は検討中も含めて8カ所。一中健児之塔、二中健児の塔、和魂の塔、八重山戦争マラリア犠牲者慰霊之碑、南冥の塔は参列者を減らす。ずゐせんの塔は同窓会役員だけの参列予定だが、中止も含めて検討中。白梅之塔は「自主参拝」を検討している。ひめゆりの塔は5月下旬までに詳細を決める。開南健児之塔、アブチラガマは未定で、南燈慰霊之塔、海鳴りの像も未定だが「従来通りの慰霊祭はできない」としている。
 梯梧之塔、積徳高等女学校慰霊之塔、沖縄工業健児之塔の3カ所は例年「自由参拝」の形式がとられており、宮古島市全戦没者追悼式、少年護郷隊之碑、韓国人慰霊塔の3カ所は確認できなかった。平和祈念公園内にある各都道府県慰霊塔での慰霊祭の中止も検討されている。他の慰霊祭にも影響が及ぶ可能性がある。
 5月15日に平和祈念公園内にあるダバオの塔で予定されていた県ダバオ会主催慰霊祭は中止が決まった。