投票所には「マイ鉛筆」を 沖縄県議選前に選管呼びかけ


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 「県議選のコロナ対策はどうなっているのか。安心して投票できるか心配だ」。与那原町の50代女性からこんな声が寄せられた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県選挙管理委員会は県議選(29日告示、6月7日投開票)での感染症対策23項目を各市町村へ通知した。投票所への鉛筆持参などを有権者に呼び掛けている。

 県選管が懸念するのは感染を恐れた投票率の低下。県外で行われた熊本県知事選や静岡衆院補選などは軒並み投票率が低下し30%台のところもあった。県選管は総務省からの通達や県外選挙を参考にして対策を取りまとめた。

 今回の県議選では、接触による感染を防ぐため、個人が持参した筆記用具で投票用紙に記入できる。ボールペンやサインペンを使うこともできるが、投票用紙は原材料にプラスチックを使っており、インクがにじむ可能性がある。「基本的に筆記用具は何でも大丈夫だが、蛍光ペンなど見にくいものや、にじんでいた場合は判別しにくく疑問票として無効になる可能性もある。できるだけ黒色の鉛筆やシャープペンシルなどを推奨する」と呼び掛けている。

 このほか、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つため、投票所の床に印を付けたり、記載台をこまめに消毒したりと、工夫をこらす。過去の選挙から投票所の時間帯ごとの混雑状況を公表することも初めての試みだ。

 密集を回避するため期日前投票所の増設も各自治体に呼び掛けるが、自治体からは「システム上、増設は難しい」との声もある。県選管の担当者は「手探りの状態だが、選挙は不要不急の外出には当たらない。1票は自粛せず投票に来てほしい」と呼び掛けた。

 (’20県議選取材班)

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