「全然客がいない」 店舗再開もまばらな人出 県協力金期間が終了


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 新型コロナウイルス感染拡大を防止しようと、県が7業態に休業要請をしてから2週間が経過した。県は要請を20日まで延長する一方で、休業に応じた事業者に協力金が支給される対象期間は6日で終わった。文字通り「自粛」の意味合いが強まる中、一部では営業再開の動きも出てきた。中には品薄が指摘されたマスクを取り扱う店舗もある。だが国際通りでも人通りはまばら。「ただ開けているだけ。人件費にもならない」。店舗関係者の嘆き節が響いた。

那覇市の国際通りでは、お土産物屋など一部営業している店舗も見受けられた=9日午後、

 大型連休が明けて初の週末を迎えた国際通り。県の休業要請の対象となった「土産物屋」も連休前はシャッターを下ろしていた店舗がほとんどだったが、7日ごろから営業を再開し始める店舗が出てきた。背景には県が「感染症拡大防止協力金」として事業者に支給する20万円の休業対象期間が6日で期限を迎えたことが見え隠れする。

 8日から営業を再開した土産物屋の店頭にはマスクが並ぶ。店長の40代男性は「あるけど売れない。見て分かるでしょ。全然客がいない。午前中の売り上げは20分の1」とぼやいた。まだ、不要不急の外出自粛や来県自粛が求められる中、観光客の姿はほとんど見られない。「正直、様子見だと思う。他店の人ともどうするか話している」と再休業の可能性を示唆した。

 那覇市内のある漫画喫茶店も8日から営業を再開した。4月以降の客足は半分以下で、県から支給される20万円の協力金では4月分の家賃や人件費しか払えないという。店長の男性は「急に緊急事態宣言が延長されても困る。コロナにかかりたくないけど、開かないとやっていけない」と苦しい胸の内を明かした。

 休業要請の対象ではないものの、自粛していた営業を再開した店舗も出てきた。宜野湾市にある台湾料理店「花蓮」は県の緊急事態宣言が出された後、4月18日に臨時休業を決めた。今月7日に営業再開し、感染防止のためレジカウンターをビニールで囲み、店内での飲食も一時中止して、テークアウト営業に限定している。蔡孟穎(さいもうえい)店長は「コロナの感染は怖いが営業しないと、収入もない。家賃の支払いや、アルバイトの生計も考慮しないといけないので、店を再開した」と声を落とした。