普天間泡消火剤流出 収束するまで監視を 原田京大准教授インタビュー


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【宜野湾】有害性が指摘されているPFOSなどを含む泡消火剤が米軍普天間飛行場から流出し10日で1カ月がたった。流出河川の水を分析し、高濃度PFOSなどを確認した京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)に数値への評価や、今後対応すべきことなどについて聞いた。

―これまでの水質調査の結果をどう評価するか。

 「国の暫定指針値案を超える値が出て、ある程度の環境への影響はある。しかし事故の全容はまだ分かっていない。泡消火剤そのものの成分がどうだったのかを考えないといけない」

―PFOSやPFOA以外の物質も検出された。

 「他の物質はPFOSの製造過程で出てくる。PFOSとPFOAはリスク評価が進んでいるが、ほかは問題がないのではなく、情報がなくて数値が決められていない。県調査で『6:2FTS』が検出されたが、ほかの物質も包括的に注意する必要がある」

―地域住民の不安は高まっている。

 「値が減っている水質の調査だけではなく、吸着すると除去しにくい土壌や河川・海の底質調査を継続的に実施することが大切だ。またPFOSなどを含んだ泡消火剤を、可能な限り置き換えることが求められる」

―米軍や国、県、宜野湾市に求めることは何か。

 「なぜ流出事故が起こったか米軍から説明がない。国は米軍に情報開示を要請し、環境調査を進める必要がある。環境補足協定に基づく基地内立ち入りは進展だと思うが、協定の実効性や主体性を含めて国側の立場を確立すべきだ」

 「国と県、市は問題が収束するまでモニタリングをすべきだ。今回の流出事故は沖縄だけの話ではなく、日本全国で考えるべき問題だ」

 (聞き手・金良孝矢)