著作権侵害していない? モバイルプリンスの知っとくto得トーク[159]


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新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出を控えている人が増えています。

そうした中、複数の出版社が「絵本の読み聞かせ動画を勝手にネットに載せないで」とお願いをする声明を出しました。

絵本の読み聞かせ動画を勝手に動画サイトに投稿されると、絵本を購入する人は減ってしまいます。

作った人の許可をもらわずに勝手に使うと「著作権侵害」【※1】になりますが、これはまさに著作権侵害です。

 

※1 著作権侵害の動画を見た場合 … 現状の法律では動画を「見る」行為は違法ではありません。しかし、違法に投稿された動画ですので、違法でなくても常識的に考えると、視聴は不適切でしょう。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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中には「無料で見られてうれしい!」と思う人もいるかもしれませんが、作った人に金が入らない仕組みだと、最終的に新しい絵本はできなくなってしまう。

そうした長期的な視点も必要です。著作権侵害は絵本に限らず、漫画や音楽の世界でも問題になっています【※2】

外出自粛により、無料で楽しめるコンテンツを求める人も多いかもしれませんが、その無料コンテンツが著作権侵害になっていないか注意する必要があります。

 

※2 漫画や音楽の著作権侵害 … 無料で漫画が読める「漫画村」や、無料で音楽をダウンロードできる「Music FM」などが著作権侵害で度々問題になりますが、愛用しているユーザーが「著作権」を知らなかったため、何が悪いのか、問題点が伝わりにくい現状があります。

 

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著作権侵害なのかを判断するためには、「投稿者」などをチェックする方法があります。

出版社名義の投稿で、出版社のホームページにそのYouTubeが紹介されていれば「公式投稿」の可能性が高いですが、適当な名前で投稿されている動画だと著作権侵害の可能性が高くなります。

スマホを使ってさまざまなコンテンツが楽しめますが、それらが「著作権」を侵害していないのかを意識した上で使う必要があります。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/