手話通訳用の透明マスク登場 口の動きはっきり 沖縄の支援事業所開発、知事会見で同席


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透明マスクを着用する手話通訳者=4月30日午後、県庁(代表撮影)

 手話通訳者の新型コロナウイルス感染予防とともに聴覚障がい者にも口の動きを伝えやすくするため、沖縄県内の就労継続支援事業所が特殊な形をした透明のマスクを開発した。玉城デニー知事の記者会見に同席する手話通訳者が着用し、県外からも注文が入っているという。

 手話通訳者用の透明のマスクは沖縄聴覚障害者情報センターの川上恵さんの提案で、就労継続支援B型事業所「みみの木」の来間正人施設長と同所を運営する法人の神田朋子理事が試行錯誤した末に完成させた。

 手話通訳者は4月11日から知事の会見に同席している。手を動かすだけでなく口の動きや表情を交えて伝えなくてはならないため、当初は口元が隠れる一般的なマスクが着用できなかった。川上さんは「手話通訳者の感染予防や安全に十分配慮しつつ、聴覚障がい者にも口の動きなどが伝わるようにしたい」と考え、透明マスクの製作を決めた。

 川上さんから製作の依頼を受けた来間施設長は「透明マスクが曇らないようにするなど試行錯誤した」と振り返る。5回以上試作した末に、液晶保護フィルムなどで使われる素材を活用し、現在の透明マスクが完成した。