泡消火材流出、普天間基地内の土壌を県が採取 格納庫近く


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 有機フッ素化合物PFASなど有毒性が指摘されている物質を含む大量の泡消火剤が米軍普天間飛行場から流出した事故で、県や宜野湾市、沖縄防衛局などは11日、同飛行場に立ち入り調査をした。事故を受けた日本側の立ち入りは5回目。今回の調査は、汚染の可能性を調べるため、4月24日に事故現場の格納庫そばから撤去して保管していた土を採取した。格納庫近くにある排水路付近8地点の土も採取した。県は分析結果を約2カ月後に公表する。

 採取した土は日本政府と米軍も、それぞれ持ち帰り分析する。

 立ち入り後に記者団の取材に応じた仲地健次県環境保全課長は「県が要望した地点での採取はおおむねできた」との認識を示した。日本政府も米軍に土壌や水のサンプル調査を求めてきたが、防衛省側は11日の立ち入り後「必要なものは十分得られたと思う。(立ち入り調査は)いったん終了だと思う」とした。

 ただ県側はこのほか、米軍が4月に土を撤去した地点から、格納庫を挟んで反対側の場所での採取も要求しており、採取に向けて引き続き沖縄防衛局を通じて米側と調整するとしている。

 仲地課長は県側が求めてきた地点での採取がおおむね実現したことについて「日米地位協定の環境補足協定に基づく初めての立ち入り調査となったが、一定の評価はできる」と述べた。

 一方、土壌採取がおおむね実現するまでに事故から1カ月を要したことについては「汚染状況を把握するには早い方がいい。できれば早い時期が良かった」と改善を求めた。