基地の改修、訓練強化が進む伊江島補助飛行場 これまでの経緯【年表】


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 【伊江】伊江島補助飛行場内の滑走路と着陸帯の改修工事は、伊江島を拠点とした訓練の強化につながる恐れがある。米本国でも騒音が問題視されているF35の離着陸訓練などが増加することも考えられる。

伊江島補助飛行場内の改修工事を進める米軍の重機=3月、伊江村(米軍のサイトから)

 米軍は村側に工事の概要を説明したが、完成後に強化される運用については周知義務はなく、新たな危険性や負担を村民はいや応なしに引き受けることになる。1972年の日本復帰時に在沖米軍基地の使用目的・提供条件などを定めた日米間の合意文書「5・15メモ」により、米軍は伊江島でパラシュート降下・投下訓練を続けてきた。

 日米両政府は85年、民間機に対し、米軍伊江島訓練空域の上空5000フィート(1524メートル)以上の飛行を認めていた。だが2018年に、訓練空域が「使用中」である場合は通航を認めないとした。

 加えて、SACO(日米特別行動委員会)最終報告により、1996年には読谷村で実施されていた降下訓練が伊江島補助飛行場へ移転。2018年には強襲揚陸艦の飛行甲板を模した着陸帯が拡張された。

 昨年は伊江島の米軍施設やその周辺で落下事故が相次いだ。昨年の4月にはフェンスから100メートル余り離れた畑に、10月には2日連続で提供区域外の伊江島空港などに米兵が落下した。今年1月には、パラシュートとプラスチック製の箱が落下した。

 米軍や沖縄防衛局は、伊江村に対し、訓練の実施について事前通知をしない場合も多い。

(喜屋武研伍)