沖縄大手3行27%減益 3月期決算 総融資量は3.9%増


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 沖縄県内地銀3行(琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行)の2020年3月期決算が15日に出そろった。3行とも減益となり、合計の連結経常利益は前期比27・8%減の163億4800万円、純利益は同27・6%減の113億500万円となった。売上高に当たる経常収益は同1・6%減の1279億8100万円だった。

 超低金利で銀行経営は厳しい収益環境が続いている。第3四半期までの県経済の好況を受けて、不動産や住宅ローンなどの貸出金事業収益は好調だったが、物件費やシステム導入による費用がかさみ、各行の利益を圧迫した。

 減収減益の沖銀と海銀は、前年のオリオンビール株売却益の反動減で利益幅が減少した。増収減益の琉銀は新型コロナウイルス感染症の影響で、企業の業績悪化に備える一般貸倒引当金を積み増したことが減益要因となった。

 3行の総融資量(平均残高)は前期比3・9%増の3兆8343億8900万円。貸し出しボリュームの拡大で、利息収入は3行いずれも増加している。貸出金利回りの低下傾向は続くものの、下げ幅は前期比0・06~0・04ポイントの低下にとどまり、下げ止まり感が強まっている。銀行の規模を示す総資産は同2・0%増の5兆4769億5600万円となった。