4月の県内景況はマイナス81 過去最低水準、廃業事業者も


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 沖縄県中小企業団体中央会(島袋武会長)は15日、4月の県内各業界の景気動向を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、全業種平均でマイナス81・8に落ち込んだ。3月調査から13・6ポイント悪化し、小麦の値上げや原油高の影響があった2008年8月と並ぶ過去最低水準となった。

 マイナスは31カ月連続。新型コロナウイルスの影響による観光客の減少、県民の外出自粛などにより、製造業、非製造業を問わず業況悪化が拡大した。

 廃業する事業所も出てきているといい、同中央会は「小規模零細事業所ほど現状を乗り切る経営体力を持ち合わせていない。早急かつ効果的な支援策の活用が望まれるが、条件整備や手続きの煩雑さなどが要因で積極的に活用できていない」と指摘した。

 製造業のDIはマイナス90・0で、前月から10ポイント悪化した。記録が確認できる08年以降の過去最悪を記録した。製造10業種のうち9業種が業況は「悪化」と判断した。鉄鋼業は「内装設備資材の中国からの輸入が滞り、建築現場の進捗(しんちょく)が遅れ、新規物件へ着手できない」と報告した。

 非製造業のDIはマイナス75・0で、前月から16・7ポイント悪化した。12業種のうち9業種が業況は「悪化」と判断した。飲食料品小売業は「航空調達から船舶調達に変わったことで入荷遅れや販売許容期限が短くなる。5月も店頭の品ぞろえに苦慮しそう」とした。

 調査は中央会加盟組合22業種の1813社(製造業347社、非製造業1466社)の情報連絡員の報告を基にまとめた。今回から飲食料品小売業の調査対象先が、全日食チェーン沖縄協同組合となった。