マスク不良品に注意 専門工場以外の製品も


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医療用マスクとして県内で販売されたマスク。薄い生地で作られたとみられる (読者提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスクの需要が高まっている。そんな中、沖縄県内では土産品店や飲食店など、医療用品専門店以外の業種がマスク販売を始めている。県内で流通するマスクには、専門工場ではない場所で製造された製品も紛れ込んでいるという。専門工場のマスクと比較して破損しやすかったり、薄かったりするなど、不良品や粗悪品とみられる製品も広がっている。

 中国の企業とも取引をする本島中部の貿易会社によると、品質検査を行っていないマスクが中国から多く輸出されているという。「(需要の増加を受けて)食品会社などもマスクの製造ラインを整備して、医療用品を作っていた」と説明する。県内業者は中国国内の事情を詳しく知らないまま、中国の取引先から不良品のマスクを仕入れている可能性があるという。

 本島中部の男性は4月、県内で飲食業や不動産業などの事業を展開する知り合いから、中国製のマスク2箱を注文。男性は「代金を支払う前、知り合いからマスクの写真を見せてもらったが、既にひもが外れていた。それでも買うかと聞かれた」と振り返る。粗悪品を販売する姿勢にあきれかえり、購入をやめたという。

 不良品が県内で流通していることについて、県は「マスクの値段や品質などに規制をかける状況ではない。消費者自身の判断で買うことが一番だ」と注意を呼び掛けた。
 (呉俐君)