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有害性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が4月10日に米軍普天間飛行場から流出したが、昨年12月の事故でも基地外へ流出していたことが19日までに分かった。米軍が2月までにまとめた内部調査に関する報告書に示されており、米軍は基地外への流出を認識していながら公表していなかった。格納庫から流出した汚染水の量は基地内で回収された分も含めて約3万7853リットル(200リットル入りドラム缶189本分)に上った。報告書によると、事故は人為的ミスで発生し、事後対応の遅れによって被害が拡大した。
沖縄防衛局によると、事故直後、米軍は「ほぼ全ての薬剤を施設・区域内で除去し、外への流出は確認されていない」と述べていた。防衛局は県や宜野湾市にその旨を伝えた。だが米軍は内部の報告書で基地外に流出したかどうかについて「YES(流出した)」と記載している。
報告書では流出状況について「目に見える証拠はないが、泡消火剤が排水路に入った。雨水管に到達しただろう」と説明した。「泡消火剤は完全に封じ込められず、風や雨などでいくらかが吹き飛ばされたり、雨水管に流されたりした」という記述もある。
報告書は本紙が米国情報公開法に基づいて入手した。防衛局は19日現在、米国から報告書の提供を受けていない。防衛局は米側に請求中だと言うが、いつから請求しているのかについては「やりとりの詳細について回答を控える」とした。
流出事故は格納庫で起動させてはいけない動力装置を使ったことで、熱を感知した消火システムが作動し泡消火剤が吹き出したという。流出した約3万7853リットルは3%に薄めた混合液で、漏れた泡消火剤の原液は約1136リットル。事故当時、格納庫にはAH1Z攻撃ヘリコプター1機があった。
今年4月にも普天間飛行場で格納庫の消火装置が作動して有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が基地外に流出した。