議会主導の振興計画を 無所属の会・當間盛夫会派長 <政策を問う⑦>


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 ―県議選の争点と意義をどう考えるか。

 「新型コロナウイルスで疲弊する医療体制の強化をどう図っていくか。基地問題も沖縄の課題だ。過重な基地負担の軽減をどう実行するか。さらに新たな沖縄振興策をオール沖縄でできるのか。中立会派を含めた県政野党が逆転することで議会主導の振興計画を提案していくことができる」

 ―最重要施策は。

 「観光業を中心に県経済の回復を早急にしないといけない。さらに観光や農業、製造業などバランスの取れた産業構造に変革しなければならない。大学までの教育費を無償化し、子育て世代の可処分所得を増やす。農林水産業の発展、鹿児島県馬毛島への米軍機の訓練移転を進め、騒音軽減を図る。首里城の早期再建にも取り組む」

 ―県経済の立て直しにどう取り組むか。

 「これまで事業者への協力金や補償金捻出のために議員報酬削減に取り組んできた。県独自の支援策として全業種を対象にした売り上げ補償制度を創設し、前年度の売り上げを補償する。制度の導入により事業者は雇用を維持できる」

 ―辺野古新基地建設問題の解決策をどう考えるか。

 「軟弱地盤による設計変更で膨大な予算がかかり、完成時期も見えない。工事に合理性があるのか、いま一度検証しなければならない。普天間飛行場の危険性については、馬毛島を活用すべきだ。過重な基地負担を軽減し、県民の安全安心をつくる。訓練移転により普天間の運用を最小限にさせ事実上の閉鎖状況にもっていける」

 ―次期沖縄振興計画の在り方をどう考えるか。

 「今までの振興計画を全て見直す時期に来ている。県民所得全国最下位は現実であり、振興計画の目標が達成できていない。これまで観光業など第3次産業に比重を置いてきたが、第1次、2次産業にも比重を置くべきだ。次期振興計画は地方分権が柱だ。沖縄振興特別措置法の延長は必要だが、中身を変える必要がある。産業構造をいかに変えていくかだ」

 ―県議選の政局への影響は。

 「中立会派と野党が多数を取ることで、提案型の議会に変えられる」

 ―他党との連携は。

 「物事を是々非々で見られる議員との連携を模索したい。政党に縛られず、沖縄を中心に物事を考えていくことが、これからの政治の中心になるし、中心にさせないといけない」

 (’20県議選取材班)