沖縄県内開業医、コロナ禍で「減収」8割超 保健所へのPCR依頼「拒否された」も多数


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 沖縄県保険医協会が会員の開業医を対象に新型コロナウイルス感染拡大の影響を聞いたアンケートで、今年4月の外来患者数や保険診療収入が前年比で減ったとの回答が全体の8割以上となった。5月はさらに患者が減ることも想定され、コロナ禍で医院経営に苦慮する開業医の現状が浮き彫りになった。103人が回答し、回答率は38・1%だった。

 全体の88%(91人)が「外来患者数は減った」と回答した。このうち「30%未満の減少」の回答が最多で58%(60人)を占めた。「保険診療収入が減った」と答えたのは84%(87人)だった。

 自由記述では、高齢者や小児の受診控えに触れ「予防接種でさえ控える傾向があり、乳幼児の疾病予防に不安がある」と懸念する声があった。通常より長い期間の処方薬を求める人も増え、診察の機会が減るとして「5月からの収入も減少しそう」と不安視する回答もあった。

 開業医の9割は通常通りの診療を続けているが、県保険医協会の宮城みどり事務局長は「患者や診療収入の減少で医院経営も悪くなる。閉院を検討するとの回答も1件あった」と危惧した。

 マスクや消毒液の衛生用品が不足し、診察以外でコロナ関連の電話相談が増えて業務に支障が出ているとの回答もあった。

 保健所などにPCR検査を依頼した開業医30人のうち、27人が「検査を拒否された」と回答した。宮城事務局長は「保健所などの人員が足りなかったかもしれないが、現在はPCR検査の拠点が県内でも徐々に開設され、状況は変わったかもしれない」と語った。

 アンケートは県保険医協会が4月30日~5月2日、会員の医科開業医270人を対象にファクスで実施した。