豚熱の予防接種を終了 初回17万頭 続く防疫の取り組み


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豚熱のワクチン接種を進める県職員=2020年3月、国頭村内(県提供)

 今年1月から沖縄本島中部で発生した豚熱(CSF)の感染防止に向けたワクチン接種で、県農林水産部は21日、沖縄本島内の全養豚場を対象に実施してきた初回接種を終えた。接種頭数は196農場で17万1822頭だった。豚熱の感染を抑え込む一つの節目を迎えた形だが、ワクチンは今後も数年は継続して接種していく必要があり、防疫の取り組みは続く。

 県は3月6日に沖縄本島でのワクチン接種を開始した。豚熱の発生地域から離れた北部と南部の両端にある養豚場から始め、ウイルスが存在しない清浄性を確保しながら接種地域を広げていった。

 接種に必要な手数料は1頭当たり160円。初回に限って農家負担を全額免除とし、約2749万円を公費で負担する。2回目以降は農家の負担になる。

 県内の豚熱感染は1月8日から3月12日に、うるま市と沖縄市で計7例を確認した。10養豚場で計1万2381頭の豚を殺処分した。沖縄は他県に比べて養豚場が密集し、野生のイノシシを介した感染の可能性も否定できないことから、県はワクチン接種で感染を抑える判断に踏み切った。