バーのカウンターも「ついたて・ゴーグル」 店主「今後は当たり前に」 営業再開


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 新型コロナウイルス感染症拡大防止のために沖縄県が飲食店に協力を求めていた酒類提供を午後9時までとする制限や、キャバクラやナイトクラブを対象とした休業要請が21日に全面解除となった。自粛を余儀なくされてきた県内の経済活動が再開したものの、各事業者は感染防止の対策を取りながらの手探り状態が続き、客足や売り上げの「V字回復」を見通す声はほとんど聞こえてこない。

カウンター前にビニールシートを張り、マスクとゴーグル、フェイスガードを着けて接客するバー「かりす」の松島朝也代表(左)。「これが当たり前になっていくと思う」と話す=21日、浦添市屋富祖

 那覇市久茂地のバー「サンシャイン」は21日に営業を再開した。オーナーの伊波興治さん(57)は「バーは2次会で寄る人が多いので、午後9時までに酒を出し終わるというのは厳しかった」と話す。当面は午前0時まで営業する予定だ。「客足はすぐには戻らないだろうが、6月後半くらいから徐々に回復してくれたらいい」と話した。

 感染拡大防止対策を徹底することで、客に安心して足を運んでもらおうとする店舗も多い。

 浦添市屋富祖のバー「かりす」は、県民の活動自粛期間中は午後10時に閉店していたが、週末の22日から午後8時~午前2時の営業時間に戻す。松島朝也代表(40)は「やっと以前のように営業ができる」と笑顔を見せた。

 カウンターの前にビニールシートを張り、マスクとゴーグル、さらにフェースシールドを着用して接客している。

 松島代表は「客に安心感を持ってもらうことが大事。今後はこれぐらいの対策が当たり前になっていくと思う」と話す。

 キャバクラ、ナイトクラブなどへの休業要請も解除され、事業者は夜の街に活気が戻ることを期待する一方、先行きは不透明で不安を抱える経営者も多い。

 那覇市松山の「らうんじひまつぶし」は県内での感染拡大を受けて4月7日から休業していたが、休業要請の終了を受けて21日に営業を再開した。

 村上誠店長(47)は「企業もしばらくは接待や出張を認めず、経費での処理をしないのではないか。社会全体に安心感が出てくるまでは、一気に回復するのは難しいと思う」と話した。