沖縄の慰霊祭 コロナで規模縮小15市町村、中止は5町村


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献花台に花を供え追悼する与那原町遺族会の知念勇吉会長(左)ら=21日、与那原町の軽便与那原駅舎展示資料館

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、県内で自治体主催の慰霊祭がある35市町村のうち、15市町村で例年よりも規模を縮小して慰霊祭を実施することが22日までに分かった。既に中止を決め、自由参拝に切り替えた自治体も5町村あった。また、例年秋ごろに実施している7市町村が「未定」と回答した。琉球新報社が県内41市町村に聞き取りした。

 規模を縮小する自治体は多くが6月23日の「慰霊の日」前後に実施している。一般参列を取りやめ、首長や議長、遺族会長らのみの参加に絞り、法要を営む。伊江村は4月に規模を縮小して既に実施。宮古島市と本部町は規模縮小の方向で検討している。

 一方で、例年の実施時期が秋ごろの自治体では「例年通り開催するかどうか検討中」(那覇市)、「現段階では検討していない」(浦添市、糸満市、南風原町)、「遺族会の総会をもって決める」(中城村)などと回答した。

 慰霊祭の中止を決めたのは5町村だった。そのうち、与那原町では21日、「与那原町民平和の日」記念式典を中止し、軽便与那原駅舎展示資料館内に町民が自由に追悼できるようにと献花台とスプレー菊を設置。雨が降りしきる中、町民らが訪れ、献花台に花を供えて追悼していた。3月に実施予定だった慰霊祭を中止した渡嘉敷村と座間味村でも、自由参拝者のために焼香台や供物が設置された。

 国頭村と大宜味村(18日現在)、今帰仁村(21日現在)、多良間村、渡名喜村は「予定通り実施する」と回答した。

 県内ではこのほか、「慰霊の日」に県内各地で行われる主な21慰霊祭のうち過半数で中止や規模縮小を予定している。県遺族連合会と日本遺族会が主催する「平和祈願慰霊大行進」も初の中止を決めている。