コロナ患者受け入れ経営悪化 沖縄医療生協が救済要請


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県の糸数公保健衛生統括監(右)に要請書を手渡す沖縄医療生活協同組合の比嘉努専務理事(左)=22日午前、県庁

 沖縄協同病院(那覇市)やとよみ生協病院(豊見城市)などを運営する「沖縄医療生活協同組合」の労使代表が22日、県庁を訪れ、新型コロナウイルスの協力病院として病床の確保などに取り組んでいることで病院経営が悪化しているとし、県や国による補償や応援金などの救済策を求めた。感染防止のための医療用マスクなどの医療現場への安定供給も要請した。

 要請は、新型コロナウイルス患者の受け入れに伴う個室の確保や改築で全体の受け入れ可能病床が減ったり、感染リスク回避の心理から外来受診者が減ったりし、今年2~4月だけで前年同期比約2億5千万円の減収になったと説明。長期化すれば資金繰りがショートし、地域医療が維持できないと訴えた。感染症専用施設を創設し、重症患者の治療に専念できる体制の構築も求めた。

 対応した県の糸数公保健衛生統括監は「私たちも『(新型コロナを)うつさない、うつらない、医療機関をつぶさない』の三つに取り組んできた。患者の受け入れに協力していただいたおかげで今回は医療崩壊にならなかった。引き続き感染対策の施策にも取り組む」と応じた。

 要請後に記者会見した沖縄医療生活協同組合の比嘉努専務理事や労働組合の真栄城玄次執行委員長は「この状況が続くと半年で7億円の赤字になる」「一生懸命働いても経営が悪化する矛盾がある」と訴えた。