国立墓苑での慰霊祭「駄目との認識ない」 沖縄県が研究者らの異論に説明


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 今年の沖縄全戦没者追悼式の縮小に伴い、玉城デニー知事が追悼式の場所を国立沖縄戦没者墓苑に移すとした決定に沖縄戦の研究者などから異論が出ていることについて、県保護・援護課の大城清剛課長は22日、本紙の取材に対し「県には国立(墓苑)だから駄目という認識はない。追悼式の規模や遺骨があるという墓苑の意味などを総合的に判断して決定した」と改めて決定に至った理由を説明した。

 大城課長によると、県は例年、沖縄全戦没者追悼式を行う前に国立沖縄戦没者墓苑で拝礼式を行っている。知事の代理として子ども生活福祉部長や県遺族連合会会長、地元の糸満市長などが参列し、部長が「これから追悼式を行う」との言葉を短く述べるという。大城課長は「県は以前から拝礼式をやってきた。国立だから、県立だからどうこうということではない」と説明した。また、大城課長は「(遺骨が納められている)墓苑でより深く追悼の意をあらわすことができるとともに平和も発信できる」と意義を強調した。