北部テーマパークで知事側、外来種に配慮求める 24~25年開業方針変わらず


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 今帰仁村と名護市にまたがる「オリオン嵐山ゴルフ倶楽部」で計画されるテーマパーク事業を巡り、県は22日、事業者が提出した環境影響評価(アセスメント)方法書に対する知事意見を出した。

 知事意見は、対象地域でのテーマパーク建設について「交通量増加による大気への影響や騒音・振動の発生、地下水取水による水象への影響、緑化計画に起因する外来植物の移入など懸念される事項がある」と指摘した。その上で、方法書で示した事業計画や環境影響の評価手法などに対し、15項目の検討を求めた。事業者のジャパンエンターテイメント(那覇市、加藤健史社長)は今後、知事意見を踏まえて環境影響評価の項目や調査手法などを選定し、準備書を作成していく。

 同社の担当者は「意見にしっかりと対応していく」と話した。新型コロナウイルス感染拡大で沖縄観光が打撃を受けているものの、テーマパークの事業計画には影響はないとして、従来通り2024~25年の開業を目指すとした。

 知事意見では、環境調査に当たって、新型コロナの感染防止で外出自粛や経済活動停滞が続き、交通量や騒音などは通常の状態から減少していると指摘した。事業の環境影響を適切に評価するため、現状の特殊要因を考慮しながら、過去の調査データの活用などを含めた対応を求めた。

 また、事業者が示す「亜熱帯・沖縄の魅力ある自然環境を生かしたテーマパーク」の計画内容について、知事意見は「緑化計画に用いる植物種等に起因する外来種の移入など懸念される事項がある」と指摘。緑化計画については目的に応じた区域分けを行い、沖縄在来の樹種を選定することを求めた。県は外来種の植栽について、区域分けに応じて一部のみ認める方針。