コロナ禍の糸満市長選 表出られずSNSが合戦場 自粛解除でやっと街頭


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 【糸満】任期満了に伴う6月7日投開票の糸満市長選は、31日の告示日まであと1週間となった。新型コロナウイルス感染症の影響で、立候補予定者らは集会や街頭での活動を制限されてきた。市民からは「候補者の姿が見えない」と戸惑う声が上がり、各陣営からは「存在を十分にアピールできていない」と焦りの声が漏れ聞こえる。緊急事態宣言に伴う活動自粛期間中、立候補予定者らは会員制交流サイトの「SNS合戦」を繰り広げてきた。

(左)上原昭氏をPRするLINE画面。ほかのSNSもすぐに閲覧できるよう工夫した (右)當銘真栄氏をPRする動画。20代の若者が質問を考えインタビューした

 市長選には、現職の上原昭氏(70)=無所属、自民、公明推薦=と、新人で前市議の當銘真栄氏(54)=無所属=が出馬を表明している。このほか、新人の仲間堅二氏(60)=無所属=も立候補を予定している。

 上原陣営のSNS担当は30代の4人。「SNSが苦手な世代でも、比較的よく使っているのがLINEだ」と分析し、LINEに登録するだけで全SNSを閲覧できるようリンクを張り巡らせた。投稿内容は上原氏を支持する市議団にも相談し、新型コロナウイルス対策支援事業など現職市長としての実績を伝えている。

 當銘陣営のSNS担当も4人。20代が中心となり、當銘氏の人となりを伝えることを意識した。政策提言動画のほか、子育て支援や国際人材教育など、若者が考えた質問に當銘氏が答える動画がある。「支援者にはいくつも選挙応援をしてきたベテランもいる。アピールする世代の役割分担をしている」と作戦を立てた。

 活動自粛が解除された20日以降、両陣営は市内の街頭でマイクを握り始めた。水面下で攻防が繰り広げられたSNS合戦は引き続き展開しつつ、立候補予定者の“顔が見える選挙”へとようやくシフトする。

(嘉数陽)