独特のイントネーション「久松方言集」を出版 20年かけ宮古島市の九貝・松原出身者


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
宮古島市の久貝と松原の出身者でつくる久松方言保存会が発行した「久松方言集」をPRする中村正一会長(左から3人目)ら=26日、那覇市泉崎の琉球新報社

 本島に在住する宮古島市の久貝・松原出身者でつくる久松方言保存会はこのほど、「久松方言集」を発行した。会によると、久松地域の言葉を紹介する本の発行は今回が初めてだという。中村正一会長や美里敏則事務局長らが26日、那覇市の琉球新報社を訪れて報告した。

 約1万2千語を収録した。主に中村会長が1990年ごろから約20年間をかけて収集・整理してきた語句と用例を基に編集した。同書では、「『久松方言』は宮古地域語の中でも独特なイントネーションを持ち、学術研究はほとんど手つかずのまま」と紹介している。

 久松の特徴は「ン」から始まる言葉が多い。

 例えば「ンーマ」は「いや、だめ」、「ンマムヌ」は「おいしいもの、うまいもの」の意味。中村会長は「島の言葉をなくしてはいけない。若い人にも方言を知ってもらいたいので、方言を20年間書き続けた」と語った。

 同方言集はB5判、386ページ、本体価格3千円(税別)。保存会で販売している。問い合わせは美里事務局長(電話)090(2509)8837。