沖縄大学(盛口満学長)は28日、新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困っている学生の支援策として、同大の全学生約2200人に対し、一律5万円を給付すると発表した。大学の教育研究費から約1億1千万円を支出する。大学教職員や大学後援会、大学同窓会の寄付を原資とした三つの給付金も設けた。
一律給付金は6月に支給予定。特別な申請は必要なく、学内システムで口座情報を入力すれば給付を受けられる。
教職員からの寄付を原資とする給付金は予算500万円の範囲内で、1人5万円を上限に給付する。後援会からの寄付を原資とする給付金は予算600万円の範囲内で1人3万円を上限に給付する。
対象はいずれも「国による学生支援緊急給付金」の受給者以外で、アルバイト収入が減少した学生。同窓会の寄付を原資とする給付金は学費の納入が困難になった学生が対象となる。そのほか、学費の納付期限も7月17日まで延長する。同大は休業に伴う遠隔授業をいち早く取り入れ、ノートパソコンやWi―Fi(ワイファイ)ルーターを無償で学生に貸し出すなど、通信環境に関する学生の支援も進めてきた。
盛口学長は「大学は過去の学生や教職員が残した遺産をもとに学び舎(や)を営んでいる。現在の学生を支援することは、これから来る学生を守ることにつながる」と述べ、学生支援の意義を強調した。