沖縄県内で開催を予定していた国体九州ブロック大会夏季・秋季大会について、主管する県実行委員会(会長・玉城デニー知事)は29日、新型コロナウイルスの感染拡大のリスクを考慮して中止すると発表した。国体への出場権を懸けた九州ブロック大会は九州8県が毎年持ち回りで開いており、ことしは10月の鹿児島国体に向け、会場確保が難しい3競技を除いた30競技が7月に夏季大会、8月に秋季大会として県内16市町村で開催予定だった。
同大会の中止は1980年の第1回大会以来初。ことしのブロック大会の中止は東北ブロックに次いで2例目となった。九州ブロック大会では、5月予定だったカヌー競技の2種目の中止をすでに決めていた。
中止の理由として、県実行委は宿泊や移動、会場の出入りに伴う感染リスクを挙げた。
大会には例年9千人が参加し、十分な医療体制や安全策が確保できないと説明した。新型コロナの第2波の可能性や全国総体など全国大会の中止が相次いでいる現状も影響した。
県実行委員会と県文化観光スポーツ部で開催が厳しい現状を確認し、玉城知事との協議で中止の方向を固めた。県の意向を28日の九州地区体育・スポーツ協会連絡協議会臨時幹事会で提案し、全会一致で承認された。
県スポーツ協会の佐久本嗣男理事長(現実行委副会長)は「本来であれば待ちに待っていた大会で、実施するかどうかは混乱を来した。安全策を取ったという意味で判断は間違っていない」と話した。
九州ブロック大会のアイスホッケー(福岡県、12月)の開催可否に関しては、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて秋ごろまでには判断するという。