野菜「1日1回以上食べる」半数 栄養偏る沖縄の高校生 困窮世帯に虫歯多く


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 29日に公表された沖縄子ども調査の「高校生調査報告書」によると、困窮世帯では野菜を「1日1回以上食べる」と答えた生徒が42・1%にとどまっていた。非困窮でも52・6%で東京都(2016年)の88・4%の半分近くで、県内の全体的な栄養の偏りが表れた。分析した沖縄大学健康栄養学部の我那覇ゆりか講師は「(野菜は)ビタミンや食物繊維が多く、積極的に取りたい食品」とし、健康への影響を懸念した。

 「1日1回以上食べる」とした食品のうち困窮世帯で多かったのは「コーラやソフトドリンクなど甘い飲み物」(20・1%)、「インスタントラーメンやカップめん」(2・8%)で、安価で糖質の多い食品が目立った。

 困窮世帯の高校生は、適度な運動を行っている割合が低く、未処置の虫歯が多かった。同居家族に喫煙者がいる割合が高いなど、他にも健康に影響する項目で非困窮と差があった。

 身長と体重から算出するBMIでは、困窮世帯の保護者で肥満、やせともに非困窮より多かった。国際的に指摘される経済格差による健康格差が県内でも裏付けられた。

 生徒では経済状況によるBMI差はなく、我那覇講師らは「この時期に適切に対策することが、その後の肥満予防になる」とした。