仲田幸子さん笑顔で終幕 「拠点」芸能館40年、最後のステージ


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ステージの最後に花束を受け取る仲田幸子さん(手前中央)と仲田まさえさん(左手前)ら=31日夜、那覇市松山の「仲田幸子芸能館」(喜瀬守昭撮影)

 那覇市松山にある喜劇女優の仲田幸子さんの店「仲田幸子芸能館」が31日、約40年間の営業に幕を下ろした。入居する建物が老朽化し、取り壊しが決まったため。幸子さんは「民謡やお酒は健康の秘訣(ひけつ)だ。世界が平和になるように、憩いの場として仲田幸子の芝居を見てください」とあいさつし、会場は笑いに包まれた。

 常連客や県外から訪れたファンが最後のステージを見ようと駆け付けた。店の前では琉獅会がエイサーや獅子舞などで幸子さんをねぎらった。ステージでは、幸子さんと孫の仲田まさえさんら芸能館のメンバーが民謡を歌い、最後は会場でカチャーシーを踊って締めくくった。

 週約1回のペースで店に通う殿内健(とのうちつよし)さん(51)=糸満市=は「歌って踊れる癒やしの場所だった。ここがなくなったら行く場所がない」と寂しげに話した。店に何度か通い、閉店を知り神戸から駆け付けた濵田広美さん(52)は「琉球文化を残してほしい」と閉店を惜しんだ。