多良間の防風林「ポーグ」を後世に 林業遺産認定の表示板設置


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表示板除幕式を開いた多良間村の伊良皆光夫村長(左から2人目)や村関係者ら=5月26日、多良間村

 【多良間】多良間村は5月26日、村の防風林「多良間島のポーグ(村抱護)」が沖縄県内で初めて「林業遺産」に認定されたことを記念する表示板の完成除幕式を同村仲筋で行った。伊良皆光夫村長や村関係者らが出席し、完成を祝うとともに遺産を次世代につなぐことを誓った。

 林業遺産は日本森林学会が各地の林業発展の歴史を残す景観や施設、書物を対象に2013年から認定している。19年に多良間島のポーグと、18世紀琉球王国の三司官だった蔡温が記した「林政八書」が県内で初めて遺産に認定された。

 ポーグは県内で唯一、完全な形で琉球王府時代の樹林帯が現存する。蔡温の林業技術体系を基に整備された。全長約1・8キロ、幅約12メートルで強風などから集落や農地を守っている。

 伊良皆村長は除幕式で「ポーグは先祖が大切に守ってきた。次世代につないでいく義務がある。村民一人一人のポーグに対する認識も深めながら守っていきたい」と誓った。
 (清村めぐみ通信員)