玉城デニー知事「勉強不足だった」 追悼式会場めぐり、有識者らの要請に


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玉城デニー知事(中央奥)に要請書を手交する「沖縄全戦没者追悼式のあり方を考える沖縄県民の会」の共同代表ら=1日、県庁(同会提供)

 沖縄県内の有識者らで組織する「沖縄全戦没者追悼式のあり方を考える県民の会」は1日、県庁に玉城デニー知事を訪ねて、6月23日の沖縄全戦没者追悼式の会場を、例年通り平和祈念公園の広場にすることなどを求める要請書を手交した。同会共同代表の知念ウシさんによると、玉城知事は「全国から訪れる記者が300人、招待者が200人を超えるので(国立沖縄戦没者墓苑から)場所の変更を検討している」との返答があった。

 玉城知事は追悼式の規模を縮小して、国立墓苑で開催する考えだったが、先月29日に見直す方針を示している。

 追悼式の場所を国立墓苑に決めた理由について、玉城知事は「新型コロナウイルスの対策を第一に考えた。どこで祈っても心は通じるから場所にはこだわっていなかった。勉強不足だった点はある。皆さんの言っていることは胸に納める」と説明したという。

 同会は名渡山晶子県子ども生活福祉部長や新里米吉県議会議長とも面談した。同会共同代表の石原昌家沖縄国際大名誉教授は「県が行っているのは、平和の礎のそばで全世界に平和を発信する、普遍的な平和思想の追悼式だ。新型コロナのせいとはいえ、すぐ国立墓苑で、とはならないのではないか」とただした。共同代表の比屋根照夫琉球大名誉教授は「平和の礎に込められた民衆の涙こそ沖縄戦の真実ではないか」と訴えた。

 同会の呼び掛け人に賛同する賛同人やインターネット署名は1日現在、約300人に上っているという。