児童生徒の活躍支援 コロナ防止へ備品配布 保護者ら結成の「一輪」


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生徒のスポーツイベントなどを支援しようと立ち上がった「一輪」の金城好磨代表(前列中央)と関係者ら=5月31日、那覇市の琉球新報社

 新型コロナウイルスの影響で、小中高生のスポーツの全国大会が中止となる中、学校の垣根を越えて生徒を支援しようと保護者らがプロジェクトを立ち上げた。まずは今夏に開催予定の高校野球県大会や県高校総体などの会場で新型コロナ感染防止のための備品を配布したり、管理する人員を派遣したりする計画だ。「何かを諦めるのではなく、今大人ができる最大限の努力を子どもたちのためにやりたい」と新型コロナとの共生を見据えた新たな仕組み作りを提案する。

 プロジェクトを企画するのは高3や中3、小6の保護者たちだ。4月下旬に学校や競技を超えて支援団体「一輪」を立ち上げた。

 主な支援は大会会場で(1)使い捨て手袋やフェースシールドなどの備品配布(2)顔認証システムを備える体表温測定器・サーモグラフィーカメラの無償貸与(3)管理者の派遣―など。スポーツに限らず、文化系の大会でも支援する。

 「一輪」の金城好磨代表は、バドミントンの指導者で高3の息子もバドミントン部に所属している。高校時代には県大会の上位に入賞したこともあり、部活動や大会が自由にできない状況を憂慮する。現在はサーモグラフィーカメラなどを扱う企業に勤めており、今回の企画を呼び掛けた。

 選手の試合に出たいという思いや今夏に引退する子どもの勇姿を見たいと願う保護者の気持ち、双方に心を寄せ「保護者や賛同する企業が垣根を越えて手を取り合い、学生が活躍できる場を整えたい」と話す。

 今後は募金活動をし、大会の関係機関などに協力していく意向だ。寄付やボランティアスタッフ、賛同企業も募っている。プロジェクトに関する問い合わせは(電話)098(861)3090。